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やっぱり受けてよかった!介護福祉士に資格を取得する3つのメリット

介護福祉士国家試験を受けてみて…やはり世間は厳しいですね。

介護福祉士養成学校の出願者数が半減、国家試験自体の出願者数も半減、では半減した分の賃金を既存の介護福祉士(介護職)に劇的に還元してくれるのかというとそうでもなく…

世間では、常に「介護福祉士なんかとる必要あるのかよ」「どうせ元取れないし…ヘルパーでも仕事つづけられるし…」という暗ーい言葉が飛び交っていますね。

今回は、「介護が楽しくて介護職やってます!」という意識高い系介護士の皆さんにも、「介護くらいしかできないから介護やってる…」という意識低い系介護士の皆さんにもぜひごらんいただきたい、「私が介護福祉士試験を受けた結果、そのメリット」についてご紹介します!

介護福祉士は本当に「元が取れない」のか?昇給に関するメリット!

介護福祉士になるために、どれだけの費用がかかるのか…これについては、別記事でまたご紹介することになると思いますが、大体15万円くらいかかると思ってください。

では、その15万円をかけて介護福祉士をとった場合、一体何年働くと黒字になるのでしょうか。

これに関して、正確な値を出そうと思うのであれば、現状の自分の給与明細や就業規則、雇用契約書をご覧いただかなければなりません。

なので、ここではあくまで「概算」として、こんな部分が増えますよ、ということについてご紹介するのみとします。

基本給が増えます。

職場によって違いますが、大体+500〜5000円とされています。

基本給は、皆さんご存知のとおりボーナスの査定に響いてきます。そして、実は基本給は個人的な給料の算定にプラスになるだけでなく、事業所全体の「処遇改善手当て」というボーナスの算定倍率に影響してきます。

処遇改善手当てが増えます。

処遇改善手当ては、正確ではないですが、「より質の高い就業環境を職員に提供している事業所に国から出るボーナス」という感じです。

この処遇改善手当ての算定基準の中に「介護職員の任用の際における職位(役職)、職責または職務内容に応じた任用等の要件を定めていること」という項目があります。これは、よりレベルの高い職員が、適切に実力を発揮できる役職に任用されていることが証明される場合に算定額が上がりますよ、という意味です。

処遇改善手当ては「職員の賃金体系向上」のためにあるものですので、この算定額があがるということはすなわち皆さんの給与総額が増える、ということになります。

職能手当(職場によって呼び名が違う)が増えます。

職能手当は、職員の肩書きによって上昇する手当のひとつです。大体、介護福祉士をとることによって+5000〜10000円だそうです。これは毎月付与されるので、1年で6万〜12万円ということになりますね!

「国家試験に受かった自分」をみてくれ!外からの評価に関するメリット!

介護福祉士は名称独占の国家資格です。介護福祉士を名乗るためには、国家試験に合格しなければなりません。

ここでは、私が介護福祉士国家試験を受ける前と受けた後に、世間の人々から受けた実体験をご紹介しましょう。

家族の反応

特に、私のことをかわいがってくれた祖父の話です。

東京の4年制大学法学部を卒業し、法律系の試験にひとつも通らず、「もともとやりたかった仕事だし…」と介護職に流れついた私を、ひどい失望の目で見ていた祖父です。

まず、介護福祉士を目指して介護職を3年間やりぬきました。

このことで、介護職に対する信頼性が祖父の中で強くなってきたようで、私のことを応援するようになって来ました。

そして、介護福祉士国家試験に受かるのがほぼ確定したとき。

祖父は今までで一番安心した顔をしていました。

受かるまでは「友達も恋人もいらん、作るだけ無駄だ」とまで言っていた祖父が、「いいんじゃないか、遊べ遊べ」と言い出しました。

皆さんの家族が同じ反応をするとは思っていませんが、ひとつの例として、私の家族はこの調子でした。

友人の反応が温かくなった

法学部の進学系ゼミに入っていたころの同期は、やはり法学部に入った以上法律系資格の取得に向けて勉強することが当然と考えていて、そうでなければせめて一般企業に就職…という道が通常でした。「介護職なんかいつでもできるんだから…」という感じ。

介護職に就職が決まってからも、友人は「介護職はいつでもできるから、法律系の資格とりあえず目指しておけば…」と何度も説得してきました。

ですが、介護福祉士を受験する際、また合格が決まったとき、誰もが言いました。

「あぁ、国家試験に…受かったのか、すげえな…」

国家試験というものの前に、世間の目は温かいようです。

「知識を武器にする自分」に誇り!モチベーションに関するメリット!

介護福祉士国家試験に向けて勉強した1年で、私がもっとも実感した変化は、自分の中に介護という特殊な仕事に向かうモチベーションが強くなったことです。

利用者のことを科学的視点からより深く知ることができるようになった!

1年間の勉強により、科学的知識が深くなったことで、利用者の身体的・精神的ADLや、既往症から現在の利用者の置かれている状況、境遇、環境を分析することができるようになりました。

それを踏まえて行うカンファレンス(会議)や、アセスメント(ニーズの抜き取り)は、より深く切り込んだものとなり、より発展的なケアを検討することができます。

たとえば、「うまくしゃべれない」という人に、「うまくしゃべれるようにしてあげたい」というのは誰でも思うことです。

そこで、介護福祉士として科学的知識を持っている私なら、まず「なぜしゃべれないのか、失語症があるのかないのか、あるとしたら運動性失語なのか、感覚性失語なのか。補助用具の理解はどれくらい進んでいるのか。コミュニケーションを普段はどのように確保しているのか…」などなど、多角的な視点からその人を観察します。

その視点を踏まえて他の職員と話し合うことで「こういう原因でうまくしゃべれないから、文字盤を使ってみたらどうか」とか、「文字盤を使ってみたけどめんどくさがるから、ジェスチャーでうまく希望を取り入れられるような声かけに変えよう」とか、新たな解決法が生まれてくるわけです。

このようなことは、介護福祉士の国家試験で言えば、「障害の理解」という課目の「言語機能障害」という分野や、「こころとからだのしくみ」の「人体各部の仕組み」という分野で学んだことが役に立ちます。

こういう生産的な話し合いは、職員同士の連携を深め、あなたが穏やかに働けるようになるだけでなく、事業所自体が活性化して、より楽しく働けるようになることでしょう!

他職員に対する説得力が変わった!

上記内容に少し重複するのですが、科学的根拠に基づいた情報提供や推測、カンファレンスは他の介護職員だけでなく他職種の職員相手にも強い説得力を与えます。

先ほどの「うまくしゃべれない人」についても、誰がどのような権能を持っているかわからないことには、よりよい対処法も生まれませんが、たとえば「脳の機能」であれば「医療職」と連携すべきかもしれませんし、もしくは「言語聴覚士」という道もあります。「口の構造的機能」であれば「理学療法士」に相談する手もありますし、可能性として「歯科衛生士」という可能性もあります。逆に、「ただのめんどくさがり」の人のケアを「理学療法士」や「歯科衛生士」にしてもしかたありませんので、「他の介護士」に相談することになります。

これらは介護福祉士の国家試験で言えば、「介護の基本」という課目の「多職種協働(チームアプローチ)」という分野で学ぶことになります。

まとめ

いかがでしたでしょうか、いま大いなる転換期を迎えている介護福祉士国家試験。

意識高い系介護士のみなさんも、意識低い系介護士の皆さんも、とりあえず毎日のルーチンに追われるだけの生活を脱却するために、明確な目標としての「介護福祉士」、目指してみてはいかがですか?