みなさんの職場にこんな人はいませんか?
- 「ヒヤリハットはめんどくさいから書かなくていいよ…」
- 「ヒヤリハット書き方知らないから書けなーい!」
もしかして、皆さんがそうじゃないですか? そりゃそうですよ。
だって「ヒヤリハットの書き方」なんて誰も教えてくれないもの!!(私もそうだったもの!)
でもね、ヒヤリハットの質が介護現場の質を決める、なんて格言もあるくらい。
ヒヤリハットって大事なものなんです。 今回は、そんなみなさんのために「介護現場で使えるヒヤリハットの基礎知識」をどこよりもわかりやすく伝授します!
目次
ベテランでも知らないヒヤリハットの基礎知識
ヒヤリハットはもともとちょっとしたミスが重大で命にかかわる事故につながりやすかった建設現場で始まった事故発見活動です。
それが他業種にも伝わって、介護職でも行われています。
ですが、ヒヤリハットの書き方って意外とみんな知らないんですよね。
まずはヒヤリハットの基礎知識からお勉強しましょ。
そもそもヒヤリハットとは
ヒヤリハットとは、「ヒヤリとしたこと」「ハッとしたこと」です。
え、わかんない?
介護現場で、転倒したり誤嚥(食べ物を詰まらせる)したり、離設(施設から脱走)したりする「事故」がたくさんおきてますね?
でも、事故って突然起きないんです。
事故には必ず「きっかけ」があります。 そのきっかけが「ヒヤリハット」です。
ハインリッヒの法則という統計によると、命にかかわる重大事件1件に対して、その「きっかけ」となる状況は300件の割合で生じているそうです。
「事故っぽいけど事故じゃない、ちょっと危ない状況」みたいな感じです。
ヒヤリハット報告書とは
ヒヤリハット報告書は施設によりさまざまな形式があるので、皆さんの職場でまず探してみてください。
大きく分けて二つです。
ひとつは、私の施設でも使っている事故報告と兼用するタイプ。
事故報告のようにさまざまに細かい状況報告の枠があって、それをある一部分だけ埋めていくことでヒヤリハットとして完成するものです。
もうひとつは、最近新たに始まった「ヒヤリハットだけの報告書」のタイプ。
簡易的に、ヒヤリハットの内容だけを報告してそれに返事をもらうタイプですね。
実は、有効性としてはどちらも変わりません。
細かい内容を書く古いタイプの報告書の場合は、各施設によって書き方が違うので上司に聞くのがいいでしょう。
たいてい、「日時・場所・内容」などを書きます。
ヒヤリハット報告の書き方
ヒヤリハット報告の内容を書くときの注意点で私が新人に指導するのは、「あなたが見た場面を写真に撮ったとして写っているものを書いてください」です。
これは事故報告のときも同じです。
つまり、それまで何をしていたかだとか、あなた自身の推測だとか、こうするべきだという意見とか、そういうことは書きません。
事故報告・ヒヤリハットはあなたを責めるために書くものではありませんので、その場の様子がわかればいいのです。
事故報告との違い
私の施設では、事故報告書とヒヤリハット報告書が兼用するタイプなのでほぼ書く内容は同じです。
事故報告との大きな違いは、事故の内容が重大でないことと、解決策を示さなくてよいことです。
ヒヤリハットはほとんどの場合、その場でさくっと解決できる問題点か上司による解決を待つ問題点の二つに一つです。
なので、事故報告のときに行う「再発防止のためのカンファレンス」を行いません。
だって、発生してませんからね。事故。
ちなみに、私の施設ではそのカンファレンスの記録も事故報告と同時に提出することになっています。 現場によりけりですので確認してみてください。
現場で見たヒヤリハット事例
介護の現場でよくみかけるヒヤリハットの例を紹介していきますね。
こういった事がヒヤリハットなんだ!というのがわかってもらえれると思いますよ。
「部屋が片付いてない」
まずは皆さんにもっとも身近な場面をご紹介します。
ドキッとした方いませんか? これ、ヒヤリハットですよ。特に高齢者介護の世界では重大事故になりかねない場面です。
部屋が片付いていないので…
狭くて歩きづらい=転倒事故につながる。
部屋が片付いていないので…
どこに何があるかわからない=せん妄につながる。
部屋が片付いていないので…
不衛生だ=感染対策に不備。
こういう視点こそヒヤリハットです。
もっと具体的なものがあれば、具体的に示してもいいです。
- 「利用者の動線を家具がふさいでいる」
- 「じゅうたんが滑りやすい」
- 「棚の上のものが落ちそうだ」
全部ヒヤリハットです。
ですがこういうことはその場で片付ければいいので、解決策を必要としませんね。
中にはこんなものもありました。
「飾ってある観葉植物が邪魔で部屋の中を見通せない(見守りできない)」 ぜひ片付けましょう。
「転倒しそうな場面を発見した」
高齢者介護においてもっとも多い事故は転倒ではないでしょうか。
そんな転倒のきっかけとなるヒヤリハットもアンテナをしっかり張っておきましょう。
こんなのはどうでしょう。
- 「車椅子のブレーキがしっかりかからない」
- 「車椅子のタイヤの空気が入って抜けている」
- 「じゅうたんが厚くてへりが引っかかる」
- 「車椅子にしっかり座れていないまま発進した」
ありがちですね。
「転倒しそうだったけど無事支えた」
事故なのかヒヤリなのか微妙な例としてよく上がるのが、「転倒しそうになったけど支えた」という事例。
私の職場ではこれはヒヤリハットとして報告しています。
なぜなら、支えた職員がいるということは事故の対策がちゃんとなされていて事故が発生しなかったということです。
もうちょっというなら、支え方がしっかりしていれば「怪我をする心配がなかった」ということです。
ヒヤリハットは事故を未然に防ぐ活動ですので、これはヒヤリ報告であげます。
私の職場で一度こんなことがありました。
「車椅子から滑り落ちたのを発見したので床上2cmのところで支えて難を逃れた」
十分にヒヤリ案件です。事故は発生していません。
施設によって見解が分かれるので確認はしたほうがいいですけどね。
「むせこんだ」
食事介助のとき、水分提供のとき。「むせこんだ」というのはヒヤリハットです。
誤嚥・窒息を「飲み込むことも吐き出すこともできなかった状態」と私の施設では捉えて事故と扱っています。
実際のところ、むせこんでいるというのは事故のような気もするのですが…逆に考えると、むせこんだということは「詰まってない」とも取れます。
もちろん、未然に発見し「ヒヤリとした」ことに違いはありません。
「家族がご本人に食べれない差し入れを持ってきた」
私の職場ではかつて、普段刻み食を食べている利用者さんが正月にかがみもちの上に飾ってあった橙(本物)をかじっているというヒヤリハットが出たことがあります。
また、薬によってはグレープフルーツの一族などは禁忌とされている場合がありますので、それらを未然に発見した場合は胸を張ってヒヤリハット報告できます。
「薬が間違っていた」
薬を渡す役目が介護士に任されている職場もかなり多いと思います。
よく見る場面として、「渡すべき薬を間違えた」というものがあります。
そういわゆる『誤薬』です。
これはわかりやすいですね。渡す前に気づけばヒヤリです。
薬を飲ませてしまえば事故。
渡しても「間違ってるよ」と返されればヒヤリ。
口に入れて吐き出した場合は事故。
口に入れてしまったものは成分が溶けていますし取り返しがつきません。
一方、似た事件でよく見る場面として「薬が落ちているのを発見した」があります。
これは私の職場でも常に判断を迷う場面です。これは事故かヒヤリか?ん〜悩みますよね。
例えば、糖尿病の薬だったら?降圧剤なら?飲む方にとってはとても重要な薬なのかもしれません。薬を飲んでいなかったというのは、取り返しがつきませんよね。
こういった事も含めて私の職場では事故にしています。
この事例ヒヤリの扱いにする施設もあるようです。もしこういったヒヤリ?事故?で迷った場合には上司に相談してみるのがいいかもしれませんね。
【まとめ】
いかがでしたか?
介護現場で毎日見ることになるのに、意外とベテランでも知らないヒヤリハット。
ヒヤリハットの質は現場の質。
ヒヤリハットを見つけられるということは、それだけ現場に目が行き届いているということです。 胸を張っていいことです。
皆さん日々アンテナを張って、自信を持ってヒヤリハットを見つけていきましょう。 上司の評価はそういうところについてくることをお忘れなく。
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