介護職を続けていると
「もう鬱(うつ)になりそう…」という嘆きをよく耳にします。
このように「うつになりそう」と周りに発信できているならまだいいのですが一緒に仕事していると
(もしかしたらこの人”うつ”じゃないかな…)
と感じる事が多くあります。
このページを見てくださってくれている方は
「もしかしたら自分はうつかも…」
または
「病院でうつ病と診断されたけど仕事やめれない…」
とお悩みの方ではないでしょうか。
介護職でうつ病になった人たちはいったいどうやって”うつ抜け”したのか・”どのように向き合っていったのか”が書いてあります。
私も介護・医療の現場で10年以上仕事をしていますがうつ病を患い介護職や医療職を離れていく人たちを何人もみています。
そして私自身も、『あ、これはやばいぞ』と感じ現在は介護・医療の現場から一度離れている状態です。同じように悩む介護職の方へ少しでも力になればと思います。
目次
これってうつ?
「もしかしてうつ病かもしれない」
なんて言葉をよく耳にしますが、一口に”うつ”といっても症状や原因は様々です。実際にうつ病になった方にしかわからない苦しみや症状もあることでしょう。
ここでは代表的な症状・原因をみていきましょう。
症状
自分で感じる、うつ病の症状として代表的にみられるのが一般的に”抑うつ”状態です。
この”抑うつ状態”とはどういった状態かというと簡単に言えば気分の落ち込みが代表的な例として挙げられます。
身体の不調やストレスなど日常生活のなかで、この気分の落ち込み事態はきっとだれでも経験した事のある事ですよね。
こういった”気分の落ち込み”がいつまでも続くのがうつの特徴的症状と言われています。
では自分で感じる症状には他にどのような症状があるのでしょう。以下にまとめました
自分で感じる症状
- 憂鬱
- 気分が重い
- 不安
- イライラ
- 元気がない
- 集中力がない
- 好きな事もやりたく
- 細かい事がきになる
- 悪い事をしたように感じて自分を責める
- 物事をわるいように考える
- 死にたくなる
- 眠れなくなる
周囲からみてわかる症状
- 表情がくらい
- 涙もろくなる
- 反応が遅い
- 落ち着かない
- 飲酒量が増えた
- 原因
体にでる症状
- 食欲低下
- 体がだるい
- 疲れやすい
- 性欲がない
- 頭痛
- 肩こり
- 動悸
- 胃の不快感
- 便秘
- めまい
- 口が乾く
うつ病には「こんな症状があるからうつ病!」
のように線引きする事が難しいようです。
こういった事から、本当はうつ病になっていても無理をしてしまうんですね。
こんな症状が続き「辛い」と感じた時には、迷わずに心療内科に相談してみてはどうでしょうか。
原因
うつ病になる原因は実ははっきりと原因がわかっていません。
脳内の神経伝達物質の働きが悪くなる事が原因の一つといわれていますが、その他に、人間関係・病気・お金・疲労などストレスが要因の一つとも言われています。
しかし「これが原因でうつ病になった」
というのは自分自身では実は判断が難しい事がほとんどのようです。
うつ病と診断された後に、カウンセリングの中で「こんな事が理由の一つだったのかもしれませんね」と以外な原因があったりする事も珍しくないようです。
介護職がうつになりやすい理由
「うつ病」の要因の一つにストレスが多い事が原因の一つとして考えられますが。
介護をしていると、かなりストレスがかかりますよね。過度なストレスから介護職員が「うつ病」になるケースが増えているのも頷ける気がしますよね。
ここでは、どうして介護職がうつになりやすいのかと、その理由を紹介していきます。
介護職は基本我慢
介護職は我慢の連続だと思います。
うつ病を患う人の特徴に”真面目である”という事も含まれています。
短期記憶障害のある認知症の高齢者にどんなに優しく接しても、相手は応えてくれない事がほとんどです。
真面目であるが故に、同じ質問や要望に我慢して同じ話を繰り返し説明するわけです。
その他に具体的な例で言えば、認知症の症状の中に”感情失禁”というものがありますよね。
感情の抑えが聞かなくなって、急に大声で泣き出したり、理由もないのに他人にあたりちらしたりする症状です。
介護職員はこういった時も、我慢してあたりちらされるわけです。もちろん落ち着いていただくよう声をかけますが、なかなか一筋縄にはいきません。場合によっては暴力を受けてしまう事もあります。
うまく受け流せる人、対処できる人はいいのですがとにかく我慢しながら対応する人は危険です。
我慢を積み重ねているうちにストレスが溜まってうつになってしまうのではないでしょうか。
責任のある仕事
介護は責任のある仕事です。
ちょっとした介助ミスで大怪我をしてしまったり、時には命を落としてしまう可能性だってあるのです。
介護施設などの事故は様々な要因が重なっておきますが、責められるのはシステムや環境ではなく職員が責められるケースがほとんどです。
事故があった場合に「誰のせいでこうなった!」と事故の責任の追求がはじまるわけです。
こういった時に責められた介護職員は「自分のせいで〇〇さんは怪我しちゃったんだ…」と自分を責める傾向にあります。
怪我をした程度ならまだいいかもしれませんが時には警察沙汰になることも。
それはどういった時かというと、夜間巡回にいったら利用者がすでに亡くなっていたという場合です。家族が不審に思えば検死や警察からの事情聴取をされるのです。
こんな責任がある仕事ストレス以外のなにものでもないですよね。
夜勤がある
介護職がうつ病になりやすい理由の一つに夜勤があることがあげられます。
「人間は昼に働いて、夜は寝る」
このリズムで体は動くように人間の体は出来ています。
夜勤がある介護職員は自然とこのリズムが崩れてしまいがちに。
介護職だけではなく、夜勤がある仕事はうつ病になりやすいともいわれています。
うつ病に罹患してしまった多くの人が睡眠になんらかのトラブルを抱えています。その多くが「不眠」です。
この「不眠」とはどういった状態かというと
”眠ろうと思ってもうまく眠りにつく事ができない状態”です。
夜勤業務はこの不眠状態を無理やり引き起こしているようなものですから、体にいいとは言えないですよね。
真面目で優しい人が多い
うつ病になりやすい人の性格に”真面目な人”や”優しい人”が多いと言われています。
介護職はお願い事をされる事が多い職業です。
なおかつ介護職は「お願い事を聞いてあげたい」「困っている人の役に立ちたい」と考えている、真面目で優しい人が多い職業です。
こういった真面目で優しい人はお願いされると断れず、頼まれごとを全てやってあげようと無理をしてしまうのです。
このように、求められるものが多すぎて対応しきれなくなり、自分を責めるようになってしまう事が多くなった結果、介護職員はうつになってしまうのケースが多いようです。
人手不足
介護は常に人手が足りない状態です。人手が足りないから忙しくなり、退職者が増える。
人員の補充が追いつかず、残った人たちが必死に仕事をするというのが介護職のよくあるデススパイラルです。
こうした職場環境で私も働いていたことがあったのですが
「忙しくて会社に行くのがいやで毎日車で泣きながら出勤する」
と漏らしていた職員がいましたがやはり「うつ病」と診断され長期療養を余儀なくされていました。
こうした介護業界の慢性的な人手不足は間違いなくうつの原因の一つだと言えるでしょう。
人間関係
介護職の人間関係もストレス原因の一つ。
上司や同僚のパワハラでうつになるケースもあるようです。職場内に苦手な人がいるとどうしても仕事行くのが嫌になりますよね。
介護はチームでやる事が多く、なるべく関わらないようにと業務をするのが難しかったりします。
そうした中で、「あぁ明日もあの人に会わなければいけないのか」と考えているうちにどんどんストレスが溜まり、そのストレスが結果的にうつの原因となってしまうようです。
うつかなと思った時にまずする事
「あ、これもしかしてうつかも」と思った時にどうすればいいのかを以下にまとめてあります。
病院にいく
1番にわたしからおすすめする事は、専門機関つまり病院に行く事です。
「うつかもしれない」と思うのはすでに自覚症状があるような状態ではないかと思います。
上に書いた自覚症状が5つ以上あてはまるような状態が2週間以上続くようでしたらおそらく日常生活もだいぶ辛いのではないでしょうか?
こういった場合には「自分はまだ大丈夫」「具合が悪いだけ」と決して思わずに専門家である医師の判断と指示を仰ぐのが1番の解決方法です。
なにも問題がないのであれば、それがわかっただけでも気持ちは楽になると思いますし、万が一「うつ病」と診断された場合には治療する方向性が見えてきますから。今の状態よりは随分と楽になるはずですよ。
「どうやって病院を探せばいいかわからない」という方にはこちらに厚生労働省の医療機関の探し方のページを貼っておくので参考にしてみてください。
ストレス原因を探る
ストレスに感じている事をメモしてみるのもいいかもしれません。
ストレス原因は様々。実はいい事だと思っている事もストレス原因だったりします。
例えば、介護福祉士の資格を取得したから来月からフロアリーダーに昇進!なんて事も喜ばしい事に感じますが、自分の知らないところで心はすごいプレッシャーを感じていてストレス原因になっている事も。
走り書きでもいいので、自分のストレス原因になっている事を見つめ直してみるのはどうでしょうか。
すぐ休職する・退職する?
病院でうつ病と診断され、仕事を続けるのが難しいと感じている場合ですが、まずは医師に相談し休職するべきか否か判断してもらうのがいいでしょう。
なぜなら休職すること・退職すること=改善するとは限らないからです。
ここらへんの判断は、症状や状態によって本当に難しところだと思うので決して自己判断せずとにかくよく相談するほうがいいように思います。
転職も視野にいれる
とくになんの診断もなかったけど、とにかく仕事がストレスでやってられない!
「このままは本当にうつになりそう」という方は転職も視野にいれて考えてみるのもいいかもしれません。
自分にあった転職先・ストレスは少なそうな職場を探したい場合はこちらにで相談してみてはいかがでしょうか。
夜勤だけやめる
夜勤がとにかくストレスに感じている…と思っている方も多いのではないのでしょうか。
私の同僚にも夜勤が辛くて夜勤回数を減らしてもらった・夜勤なしでも常勤で雇用してもらえるか相談して夜勤なしにしてもらった。という人が過去にいました。
「夜勤を減らす事で身体も随分と楽になった」との事でした。
日勤常勤は今の職場ではできない…とお困りの方は日勤常勤の求人をこちらで探せます。
生活リズムを整える
軽度のうつ症状の場合は生活リズムを整える事で回復に向かう事もあります。
例えば、決まった時間に朝起きる、夜更かしはしない等ですが生活のリズムが狂いがちな介護職の場合には生活リズムもなにもありませんよね。
ではどうすればいいのかというと、私が実行した事は日勤(早・遅含む)なら決まった時間に起きる事です。
こうする事で「明日は早番だから早く起きよう」や「遅番だからゆっくり寝てよう」がなくなり。リズムが出来上がってきます。
夜勤の時は10時に起きて、「身体と頭を起こしておく」ことでリズムが出来てきました。
勤務によって睡眠時間がバラバラなひとにはおすすめですよ。
まとめ
現在、日本人の14人に1人はうつ病ともいわれています。
「うつ病は甘え」「心が弱いからなる」といった認識を持っている人が多くいます。
こういった認識から、うつ病になってしまった場合に周りに相談できない・恥ずかしい・自分は弱い人間なんだ…とネガティブな考えになってしまいます。
でも本当は、うつ病の症状から会社を休職せざるおえないといった状況などからうまれた誤解なんですよね。
介護職員のうつ病などの「精神疾患」に罹患する人はは2010年〜2014年までの5年間で2倍以上になるほど増えています。
決して甘えなんかではなく皆が普通になりえる病気です。
なった本人にしかわからない症状もたくさんあると思います。
「うつかな?」と思った時は恥ずかしがらずにまずは病院に行くのが一番の解決策だと思うので、一人で悩まずに医師に相談するのがベストな方法といえるでしょう。
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