みなさんごきげんよう。
レクリエーション。どのような施設でも行われ、それでいて同じネタを続けて何度もはできない。
レクリエーションはただの遊びではなく、リハビリテーションの効果を持つものでなければならない。
レクリエーションは、楽しく参加でき、なおかつ日課的になってはならない。
いろいろな条件があって、結構考えるのしんどいんですよね。
今回は、皆さんも悩みの種、私も日々頭を悩ませている「レクリエーション」のネタについて、少しご紹介したいと思います。
とくに今回は、私が現場で高齢者を見ていて参加率が高い、楽しんでくれている、という印象を強く受けた3種類の定番レクについてその内容、効果などを解説します。
目次
誰でも楽しめる「歌を歌おうレク」
最初にご紹介するのは「歌」です。
特に、現在の高齢者(昭和初期~中期生まれ)の方の文化は「ラジオ文化」でしたので、耳から入る情報は多く、目から入る情報は少ない世界でした。
そして、現代のように粗製乱造に歌手がいるわけでもなく、みんなが同じ歌を知っていました。 そんな現在の高齢者の特徴をつかんだ「歌うレク」は、簡単で興味を引きやすいレクといえます。
歌レクが優れているポイント
歌は基本的に誰でも参加できるという利用者側の利点があります。
歌が嫌いという人は特別ですが、好きでも嫌いでもないという程度の人も聞いているだけでかまいませんし、好きな人はもちろん思いっきり歌ってもらえばいいのです。
職員側の利点として「準備が要らない」「空気をつくりやすい」という点があります。
ある程度の人数を集めて、「これから○○という歌を歌いまーす!さんはい!」といえば、後は勝手に利用者さんが歌っていてくれます。
歌は周囲に響きますので、興味を持っていなかった人の耳に届いて、参加人数を勝手に増やしてくれるという特徴があるのです。
どんなリハビリになるの?
耳で聞いた音から、どんな曲だったかを思い出す記憶力のトレーニングになります。 歌詞を正確に読み、音程を合わせるという協調性のトレーニングになります。
楽しいと思えることによって生きがい(社会性のトレーニング)になります。
口を動かし、発生することによって口腔ケア、嚥下力のトレーニングになります。 声を出すと、体温が上がり、免疫力のトレーニングになります。
もう一工夫
まずは伴奏も歌詞カードもなくてOK! でも、なかなか曲数が増えなかったり盛り上がらなかったりします。
本格的な歌レクにしたければ、道具をそろえ、カラオケ形式にしたり、歌詞カードを人数分印刷してコーラス形式にして見ましょう! 空気が大きく変わりますよ!
また、同じ歌を歌っていても、そのリズムに体操を同時進行して取り入れてみましょう。 正確には、これを業として指示をするのは民間資格ながら有力な「音楽療法士」が有効です。
ですが、歌いながら体操するくらいなら介護士にだってできます。 楽しく歌って体温を上げつつ、体も動かしてリラックスしちゃいましょう!
皆がよくノッてくれる曲は?
この曲は間違いない!そんな曲をご紹介!
・炭坑節
・東京音頭
・青い山脈
この三曲はほとんど殿堂入りクラスでみんなノッてくれますね。
この三曲以外にも…
- みかんの花咲く丘
- ふるさと
- 銀座カンカン娘
- お富さん
- 二人は若い
- 東京のバスガール
- おまつりマンボ
- リンゴの唄
- 学生時代
- さざんかの宿
- 上を向いて歩こう
- 高校三年生
このあたりは鉄板で皆、一生懸命うたってくれますね。是非参考にしてみて下さいね。
体の反射機能だけで楽しめる「風船バレー」
次に、介護施設で必ずといっていいほど目にする頻度の高いレクが「風船バレー」です。
みなさんも名前くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。
体を動かす運動系レクの中で、なぜこの「風船バレー」が注目されているのか。 以下でその理由について解説します。
風船バレーが優れているポイント
さまざまな運動系レクが開発され、さまざまな介護施設で行われていますが、何故風船バレーだけが注目されるのか。
理由は簡単です。難しいルールがないので、最重度の認知症の高齢者であっても参加できるからです。
皆さんぜひ手の空いたときに、介護施設でふと風船を利用者に投げてみてください。
なぜかみなさん意味もわからないまま風船を打ち返してくれます。
どうやら、「よくわからないが浮いている物体」は本能的に手で払いたくなるようです。
さらに、普通のボールと違って風船は軽いですので、高齢者の軽い力で打ってもよく飛びます。 なおかつ、風船はまん丸でありませんので、打った後どこへ飛ぶかわからず、ゲーム性があります。気を抜いている暇がないわけですね。
どんなリハビリになるの?
勢いよくたたくことが、腕の筋力の体操になります。 正しい方向へ飛ばそうとするときの姿勢が、バランス力のトレーニングになります。
どこへ行くかわからない風船を目で追うことが、視力のトレーニングになります。 隣の人とぶつからないように、かつ落とさないようにする協調性のトレーニングになります。
風船の行き先を考える計算力、判断力のトレーニングになります。
もう一工夫
風船の数を増やすと、忙しくなってレベルが上がりますが、私の経験上、10人くらいの円では2つ以上の風船は利用者が処理しきれません。
一つ、対抗戦にしてみるという手があります。 利用者が二人以上いるときに、チームを組んで、落としたほうの負け、と勝敗をつけます。
勝ち負けがかかると、参加者の積極性もぐんと上がります。
一つ、目標を持ってラリーを続けるというやり方があります。 たとえば私がよく言うのは「100回続いたら2020年の東京オリンピックに出ます!」とかね。
大げさでいいです。楽しめればいいのです。
このレクを行うときの注意点!
運動系レクは、楽しい反面熱中しすぎると転倒転落、また勝敗にこだわる利用者が中心となった乱闘などの事故が発生する可能性があります。
まず、利用者の全員が安全にレクに参加できるための職員を確保しましょう。 そして、普段から歩ける人も、できる限り同じ目線で戦ってもらうために、イスに座った状態から立たない、という特別ルールをつけましょう。
車椅子の人は、座位が保てる人もそうでない人も、必ずブレーキを確認しましょう。 落ちた玉を拾おうとすると危険なので、円陣を組むときには真ん中に職員がいるとより安全です。
私の事故体験なのですが、利用者が熱中するあまり自分の痛みを忘れて参加してしまう可能性があります。私が主催したある回で、骨折している利用者(保存療法中)が参加してしまって骨折している側の腕を動かして(普段は痛くて動かすことも嫌がる)しまったため、あとで痛みが発生したことがあります。
参加者の体調管理を必ず確認しましょう。
逆に体が動かせない人は、うちわや新聞でできた棒などをもってもらって、参加している雰囲気を味わってもらいましょう。
特に、勝負にこだわっている利用者はそういった人を攻撃対象にしやすいです。 守ってあげるのは介護職の役割です。
無理強いはしない
風船レクなどは「バカにしている!」と怒る方もいらっしゃいますので、嫌がる方には無理強いはしないのが得策でしょう。
準備は要るが熱中できる「ものづくり系レク」
聴力の弱い人や、歌の嫌いな人はどの施設にもいるものです。 運動しようにも体が痛い人は参加できません。 そういう人が参加できるレクとして一つ、ご紹介できるのがこの「ものづくり系レク」です。
ものづくり系レクが優れているポイント
ものづくりと一言に言ってもいろいろな種類がありますが、特にお勧めするのがみんなで協力してつくる「ちぎり絵ポスター」です。
模造紙や大きな紙に、職員が下絵を描いてそこに折り紙をちぎって張り合わせていく。
ちまちまとした細かい作業の積み重ねが、やがて大きな一つの絵になっていく。 この達成感と夢中さが、ある一定層の利用者の興味を引きます。
特にこういったレクに参加度が高いのは、性格の細やかな「自称主婦」や「自称農家の嫁」のみなさん。
家の中で料理をし、洗濯をし、針仕事をして、外では野菜を束ねて箱詰めして…常に、彼女らの生活は指先の細かい作業とともにありました。
そんな皆さんにとって、折り紙をちぎって貼るなんて、お手の物。 「簡単すぎる?」いえいえ、そんなことはありません。
大変なことを仕事でもないのに続けるのはただの負担です。 レクリエーションは楽しみを生む作業ですので、「できる!」という気持ちが大事なのです。
どんなリハビリになるの?
指先を使った細かい作業は、脳全体の活性化につながるトレーニングになります。
色を合わせたり、あえて合わせないことで陰影を作ったりするのは、感情・感覚のトレーニングになります。
職員の指示に従って作業の順番を考えることは、前頭葉のトレーニングになります。 自分で行った作業が、最終的に作品として出来上がったのを見ることは精神的な安定をもたらします。
もう一工夫!
このレクの工夫はいかようにでもできます。 まずは、作るものをレベルアップすることができます。
折り紙をちぎるだけだった部分を、紐や丸めた紙、ボタンやビーズなど、別のもので埋めると違った風合いの作品になりますし、下絵にあわせてきれいに敷き詰める難易度が上がっていきます。
出来上がるものをポスターという平面的なものでなく、千羽鶴のような立体的なものにすることで、飾り方を変えることができます。 利用者がもっとビビッドな場合には、作りたい作品を選んでもらうことこそ、一番のリハビリかもしれません。
このレクを行うための注意点
この形態のレクは、特別な危険をはらみません。 ですが、割合に飽きっぽい方には向きません。
はじめ興味を持っていた人が、難しくてできないと思うと気持ちが離れて飽きてしまいます。こういうときは、職員の腕の見せ所です。
職員の仕事は、いくつもある工程の中で適切な役割分担をしてあげること。 手先の器用さや脳の活性度合いに応じて、折り紙をちぎる人、貼る人、指示を出す人。
適材適所に分けてみんなが「できた!」と感じられることこそ、このレクがリハビリとしての本領を発揮してきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
世の中に星の数ほどあるレクリエーションの、ほんの一部をご紹介しました。
他にも、別のカテゴリでいろいろなレクリエーションをご紹介していきたいと思います。 レクのねたはいくつ持っていても無駄にはなりません。 日々の介護職を楽しむためにも、ぜひ活用してください!
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