文部科学省の発表した”平成29年度学校基本調査(確定値)の公表について”によると、現代の高校生の大学進学率は54.8%。
そんな二人に一人が行く大学の、新卒就職率は76.1%。
新卒の約7割が就職する時代…なのになぜ介護業界には人が来ないんだ!
と、大学生の声を調べたところこんな意見が多数。
- 「大学まで出たのに介護なんてやってられないよ…」
- 「だって給料安いんでしょ…」
- 「負け組のイメージがある」
なるほど。まぁそうですよね、気持ちはわかります。
しかし、この記事を見てくれている人は少なからず…
「卒業したら介護もありかな?」なんて考えてくれている人だと思います。
今回はそんな人へ向けて、「実際に四大法学部新卒で介護職に入った私」が「大学新卒で介護職ってこんな感じだよ〜」といった解説をしていきたいと思います。
目次
大卒介護士が”負け組”と言われる理由
まずは、なぜ大卒で介護士になることが「負け組」と言われてしまうのか、大卒にとっての「介護職」とはどういったものなのか、みんなの口コミをまとめて紹介していきます。
1,初任給は17万円
大卒の皆さんが、一番最初に引っかかって一番気になるのが「給料」ですね。
実際、私が新卒で介護老人保健施設に入ったときの初任給は約17万円(うち基本給124000円)。
これは、世間の新卒平均初任給から比べると約3万円も低い金額になります。
実際のところ、かなり厳しいところですよね。
初年度は最初のボーナスが入りませんので、年収は少し抑え目の250万円程度でした…。
初年度の年収だと「家賃」「奨学金の返済」などがある人にはそれなりに切り詰めた生活になるかもしれません。
ただ事業所によっては、実際には家賃補助や給料の相談もできるのでそこまで不安に思う事はありませんが・・・。やはりどうしても気になるポイントの一つです。
2,世間体は微妙
「大学出て介護職行くなんて周りになにいわれるか…」
大卒・新卒の皆さんが次に気にかかるのが「世間体」ですよね。
周りの目が冷たい…私もそうでした。
実際、私の入っていたゼミでも友人に対して、「介護職いきたいんだよね」とは気軽にはいえませんでした。
家族の反応はどうでしょう?
私の場合は、家族が「好きにしていいよ」というタイプだったので救われましたが、子供を大学に行かせた親の立場としては、(給料の安い)介護職かよ…という気持ちになる親もいるかもしれません。
また、大学卒って、なぜかこう「自分は高校卒とは違う」っていう気持ちになっちゃって、周りと自分を比べたりするんですよね。
そうすると、俗に「底辺」なんて呼ばれる介護職に目を向けるのがつらくなってくる現実があるようです。
3,しょうがないから介護やってる感
特に印象的だった出来事があります。それは私が最初に面接を受けたデイサービスの所長が言った言葉です。
「介護職は大学生が就活に失敗して介護職でもいいかぁなんて軽い気持ちでできる仕事じゃない」
私としては介護職がやりたくて面接を受けにいったのですが、所長としては「妥協してうちにきた」と捉えたのかもしれません。
きっと私が介護・看護系の大学だったらこうは言われなかった事でしょう。
しかし、今考えれば「法学部卒」→「介護職」は世間的には「妥協した負け組」と思われてもしょうがないのかもしれませんね。
大卒の介護士にメリットはある?
やっぱり大卒で介護士なんかやめたほうがいいじゃないか… そう思っている皆さんに、「大卒だから得すること」をご紹介します。
大卒だからこその強みを活かしてしっかり稼ぐ事も可能ですよ!
大卒は試験に強い
大学生は受験勉強に始まり、学校内でも本を読む習慣があって勉強方法を知っています。
介護職が給料をより多くもらう最短ルートは資格を取ることですので、試験に慣れている大卒は非常に有利になります。
まずは介護職に就くために必要な、介護初任者研修、介護職員実務者研修を突破し、3年後に介護福祉士という国家試験を通りましょう。
これだけで給料が累計3〜5万円あがります。
新システムである「初任者・実務者の研修」は、ともに最終試験がありますのでそこで引っかかる人は介護の仕事につくこともできません。
その点、大卒は有利と言えるでしょう。
また、国家試験を通るというのはその難易度によらず世間体が非常に良くなります。
なぜか世間では、「看護師」と「介護士」には大きな認識の差があり、看護師はちゃんとした仕事をしているけれど介護士はほかの仕事がなかったからしていると思われがちです。
ですが、「国家試験を取った」と言うだけで世間の目は明らかに変わります。
まずは3年、精進してみましょう。
大卒は昇給しやすい
大学生が高校生と一番違うのは、大学は「自分の意見を通すところ」だということですよね。
みなさんが大学で学んできたのは「自分の意見を何らかの理論を使ってほかの人に納得させる力」です。
特に文系学部の試験や論文は三段論法が主ですから、それを介護職についてからも使ってみましょう。
理論的説明は人を納得させます。
↓
納得できる説明に人は動きます。
↓
人を動かせる能力に、上司は評価を入れます。
↓
評価が入る人に、昇給やボーナスが出ます。
説得力がある大学卒だからこそ、任される仕事もあるでしょう。
「介護職で使えるかどうかは学歴関係なくない?」と思う人も多いでしょうが、逆にそこは世間体がかなり利いてきます。
実際に私のいる施設で役職に就いている人は”有資格者”なおかつ”大卒”です。
役職になると外部研修などで外に出る機会も自然と多くなります。なので最低限、「外に出しても平気な人」と世間体を気にしているにかもしれません。
まぁ会社がどこまで”大卒である事”を意識して人事の采配をしているかはわかりませんけどね(笑)
まとめると大卒は「昇進も早い」ので「結果的に給料も上がりやすい」という事ですね。
大卒は役に立つ
一緒に働く上で、一番感じるのがこれです。
同僚から一番出るのが、「大学出たんだしなんかいろんなこと知ってそう」というイメージ。
この漠然とした「頼りになるかもしれない」という印象が、ほかの職員とググッと距離を近づけます。
「こんな心配事があったけど、あの人ならなんか知ってるかもしれない」 専門分野である必要はありません。
何か役に立てそうなことがあったときは、自信を持って参加しましょう。
民間企業ではなく介護職を選ぶメリット
大学を卒業してまず目に付くのは民間企業の就職です。
大学のキャリアセンターも、まずは民間企業への就職を勧め、介護職につくのは「後からでもできる」と言われます。
しかし、介護職につくのは理由がちゃんとあります。
キャリアセンターの職員や家族に対して、介護職につく理由を説明してもらえるように、新卒からの介護職を選ぶメリットをご紹介しますね。
人とのふれあいがある
就職活動を経て民間企業に勤めた場合、一般的に最初につく仕事は事務職か営業職です。
目の前にはお客様がいますが、そこには必ず「ビジネスライク」という大きな距離があります。
一方で、介護職は常に目の前のお客様に物理的に接触することになります。
おむつ交換やお風呂の手伝いがいらない人だって、歩くのに手を引いてあげたり、体操に行くのに車椅子を押してあげたり、話を聞くのに手をつないだりします。
そこには人間の温かみというほかの業種では感じることのできないすばらしさがあるのです。
自由でいられる
通常、民間企業で勤めた場合にはビジネスマナーやマニュアルと言うものがあります。
まずは新人であり一年生として、上司とまったく同じことができるようになるまで機械的な研修を受けるのです。
私はこれがなんとなく窮屈で、苦手でした。
一方介護職はというと、もちろんマニュアルはありますし、礼儀作法も大切ですが相手は人間です。
すべての基本は普通の礼儀作法ですが、認知症の利用者にそれは通用しないことがかなりあります。
そこで力になるのが自分の個性です。
年齢の若い人は若いなりの対応、年上の人は利用者と年齢が近いからこそできる話し方。
自分が病気がちであることを利用した話し方。
自分が方言がきついからこそできる距離をつめたしゃべり方。
この人は先生だった人だから礼儀をきっちりするけれど、この人はまだ自分を子供だと思っているからしっかりと楽しめるような遊びを使う。
こういった、「人それぞれの対応」ができるのは介護職という特殊な世界ならではです。
大学を出ているからこそ「私も同学だよ」なんて利用者が出てくるかもしれません。
民間企業では「余計なことを言わなくていいんだよ」なんていわれる…かもしれませんね。
ノルマがない
最近ではブラック企業なんていって、自分のノルマが終わらないからいくら残業しても「能力がないだけ」とレッテルを貼られて残業代が出ない、なんていうところもかなりあるようです。
しかし、介護職はそういうところがありません。
なぜなら商品とお客さんが人間だからです。
毎日同じ行動をして毎日同じような体調ではありません。 仕事量もその日その場で決まります。
だから定休日はありません。 常に自分の仕事の前には誰かが仕事をしていて、隙間を空けないようにその後には誰かが仕事に入ってくる。
介護職では仕事が残ることは”当たり前”なのです。 時間になったらきっちり帰って、時間通りにまた仕事に来ます。 それでいいのです。
なので就業環境は民間企業に比べてかなり良好だと言えます。
まとめ。
最後に、大卒で介護職につく3つの強みをまとめると、
- 給料は上司にアピールすると上がる
- 世間体は国家試験を通って跳ね返せ!
- 勉強した自信を持って仲間とうまくやろう
大学卒業して周りのみんなが就活が終わりだんだんとあせってくる時期ですが、今回の記事を読んでみなさんが少しでも「介護職考えてみようかな」と思っていただけたのならなによりです
転職エージェントを使おう!
介護業界では「転職エージェント」が充実しているため、職探しにはこちらを利用するのが主流となっています。
転職エージェントに登録すると担当のコーディネーターがついて、あなたの希望を元に条件の合う職場を探してもらうことができます。
一般的にはハローワークや求人サイトを使うことが多いですが、記載されていることと違ったり、人間関係でトラブルになったりなど、実際に働いてみないと分からないことがたくさんあります。
転職エージェントを使うと、その職場のもっと詳しい情報や、職員の人数・年齢層・残業の有無・離職率などの内部情報までを教えてもらうことができます。
また、「大卒から始めることでよりキャリアアップできる職場はどういったところを選ぶべきなのか」などを担当に相談できるので、就職成功率・満足度がグンと上がります。
もちろん利用は完全無料なので、これから介護業界に行こうかまだ悩んでいる方も、まずは相談してみてくださいね!
一社は登録しておきたい介護転職サイトランキング
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