現在、介護職で働いている方でこれから看護師になりたいと思っている方は多い事と思います。
私も以前までは介護施設で働いていたのですが…
- 体力の限界
- 収入の問題
を感じて4年ほど前に准看護師の専門学校に通い准看護師の資格を取得し、准看護師に転職をしました。
この経緯から今回は
- 介護士と看護師の違い
- (准)看護師にはどうすればなれるのか
- なる為の条件やなるまでの金額
といった事を中心に記事にまとめてみました。
私個人としては「こんなに違いがあるのならもっと早くに看護師の資格を取得しとけばよかった」と後悔しています。
なので、現在介護職の方で看護師を目指す方に向けて私のような後悔をしないように、ベストな看護師の資格の取り方や給料の違いを公開したいと思います。
目次
介護士と看護師の7つの違い
実際に介護士から看護師になってみたら「給料や仕事内容などこんな事がちがうんだ」といった事を私自身の目線から7つにまとめてみました。
これから看護師になりたい!という方は参考にしてみてくださいね。
1.年収が上がる
介護士から看護師に転身したいと考える理由に、お給料の違いが挙げられると思います。というよりこれが1番の理由ではないでしょうか。
私自身、介護職として老人保険施設で働いているときには、介護福祉士の資格なしで額面23万円、手取り18万円のつらーい時期を過ごしていました。
そこで「なんとか介護福祉士の資格をとって給料あげなきゃ」と思い立ち、頑張って介護福祉士(国家資格)を取得したのですが、蓋を開けてみたら手取りは1万5千円アップしただけでした…。
現在では「介護職員処遇改善手当」のおかげで介護士の給料も上がり傾向にあるみたいですね。
では介護士と看護師はどのくらい年収が変わってくるのでしょうか
まずは平均額から
介護士の平均年収は322万円・看護師の平均年収は480万円。
「厚生労働省の平成28年賃金構造基本統計調査」参考
平成28年の平均年収は上記の通りになります。
▼私の実例だとこんな感じになります
”介護福祉士”資格取得後
約360万円
”看護師”資格取得後
約500万円
ですので単純計算で介護福祉士から看護師で140万円ほど年収がアップしています。無資格時代から考えれば180万円もの年収アップですね。
私の場合、准看護師でこの額ですから看護師の資格を頑張ってとれば、あと2、3万円まで上がる職場もあります。
また看護師の資格を取得し、役職につければ年収800万程度まで上がる場合も。そう考えると介護士に比べ、看護師には夢がありますよね。
2.責任感が強くなる
看護師になり、お給料以外にも自然と上がってしまうのが”責任”です。
介護士として現場で働いていた時にも責任は感じていましたが、実際に介護士から看護師になってみると、責任は以前にも増して感じています。
例えば、夜間の利用者さんの容体が急変した時です。利用者急変時、介護士は看護師に報告→指示をもらって協力する。
といった流れでしたが看護師になると当然、対処する側になります。こうなるとあれやこれやと考えたり、実際に処置したりと本当に大変です。
家族への説明や救急隊への対応、最悪亡くなってしまった場合は死後処置…と仕事はたくさんあります。
医師が常駐しているような病院であれば、報告して指示をもらえますが、中規模の老健などでは医師が常にいるとは限りません。
こういった事からも急変時には看護師への責任は重くなります。
看護師になったばかりの時は、看護師の先輩から『あなたは考えがまだ介護士だから、もうちょっと責任感をもって仕事をしなさい』とよく怒られたものです。
看護師の仕事は最初は誰もが辛いと思うと思いますが、辛いと思うのは卒業をして仕事を覚えるまでの期間です。
最初はだれしも責任の重さにノックアウトしそうになると思いますが、「みんなが経験するしいつかはなれるから大丈夫」と経験談を語らせてもらいます。
3.医療的な知識がつく
当たり前の事かもしれませんが、看護師になると医療的な知識がつきます。
医療的な知識がついた事で、介護士の時に気づかなかった事も気づけるようになりました。
例えば、足がすごく浮腫みがある方を見た時に(この人は心臓疾患がたしかあったな…毎食梅干しとかしょっぱいもの食べてるけど大丈夫かな?)と思うようになります。
一人の利用者さんに対して、介護の目と医療の目どちらからも見れるようになるので、ケアーの幅が広がりますね。
余談ですが、風邪を引いた時に処方される薬もパッとみただけで、「あ、この薬か」とわかるようになりました。すごく地味な事なのかもしれませんが、こういう時に看護師になった事を実感したりします。
4.体力面で楽になる
これは人それぞれで、働いている職場にもよるのかもしれませんが、介護から看護師に転職した看護師たちは口を揃えて『体は楽になった』と言っています。
私の職場だと、看護師は基本的には排泄介助、夜間の体位変換はしません。介護士さんが入ってくれています。
介護士として働いていた時は『ナースも手伝ってよ』って思いながら、オムツ交換に入っていたものです。
こうした介護士の時代から比較すると、肉体的には随分と楽になりましたね。
余談ですが座り仕事が多くなったせいか痔になりました…。
5.世間的な印象の違い
世間的に介護士さんが印象が悪いと言うわけではありませんが…
(私自身介護士としてずっと働いていましたから)
それでも同級生に『今、仕事なにしてんの?』って聞かれた時に『介護…』ってちょっと小さい声になっていたのは事実です。
まぁこれは介護という仕事に私自身があんまり誇りを持てていなかった、からなのかもしれませんね。
しかし看護師になってからは『看護師になった(准看護師だけど)注射もできるんだ』と介護士の時から比べると、少し胸を張れるようになりました。
看護師のイメージは人それぞれでしょうが、自分に自信が持てるようになるのは気持ちがいいものですよ。
6.将来性が高い
介護士として働いているときは、腰や膝を悪くしてやめていった先輩がたくさんいました。
身体的だけではなく、結婚して子供を養っていかなければいけないのに、年収が上がらず横ばいな事で、不安や不満を感じ辞めていく人も多かったです。
私自身も「このままじゃ将来不安だなぁ」と漠然と考えていました。
「看護師が絶対将来安心」というわけではありませんが、いい病院や施設に就職できる確率は介護士の時に比べればグッと上がってきます。
病院で働くという事は公立病院に就職して地方公務員になるという道もありますから将来的には安心できますよね。
▼介護職の将来性についてもっと知りたい方はこちらも参考にしてみてください
やばい!介護の仕事がなくなる?本当に介護の将来性がないのか解説
7.転職先が広がる
転職先が豊富といった面では介護士も看護師も同じかもしれませんが、看護師の場合は介護士と比較すると転職先の仕事内容に幅があります。
介護士が転職を考えた時にまず頭に浮かぶのが、施設介護士・ホームヘルパーですよね。
看護師の場合これに加えて、病院関係や製薬メーカー、保育園、ツアーナース(小学生の遠足の付き添いなど)産業看護師(企業の保健室みたいなもの)なんていったちょっとおもしろそうな仕事の種類が増えてきます。
介護士から看護師になるには
- 「転職の幅が広がって楽しそう」
- 「年収も上がるし看護師になりたい」
こんな風に思った方は、是非看護師を目指しましょう。
しかし心配なのは、どうやったら介護士から看護師になれるかです。働きながら看護師になれのか、お金はどれくらいかかるのかも心配ですよね。
「明日から看護師になる為に動き出したい」という方へ向けて、どうやったら介護士が看護師になれるのか順をおって説明していきます。
1日目:職場に報告
まず1番にする事は職場への確認です。働きながら看護学校に通う事になると、看護学生になったぶん働ける時間が減る事になります。
職場で看護師が足りていない場合「よく決心したね!頑張って看護師になってね」と全面バックアップ体制で送り出してくれます
が、逆に介護職員の足りない職場では「介護も人手が足りないから今は困る…」と渋られてしまいます。
学生期間の給料や勤務時間の変更もあるでしょうからまずは、会社へ看護学生になりたい旨を確認してみましょう。
不安に思う方も多いでしょうが、多くの職場は看護師不足ですし。スキルアップに繋がる事ですから看護学生になる事はバックアップしてくれるはずですよ。
2日目・専門学校を探す
学校に行く意思が決まったら次は学校探しです。まずは通学する看護専門学校を探しましょう。
探すポイントは…
- 自宅から近い
- 職場から近い
- 学費が安い
- 職場と関係のある学校
などいろいろありますよね。
介護士を続けながら看護師を目指す場合は、職場に近いといった事も重要ですが、職場と関係のある学校選びもとても重要になります。
看護専門学校は私立校の場合、〇〇医師会立〇〇学校といった感じになっている事が多いです。
〇〇医師会立というのは地域の病院や医者が関係していますので、自分の職場の医師がその医師会立に所属している場合。コネクションを使って入学しやすくしてくれたりするケースも。
あと学校探しで重要なのは学費も気になりますよね。
入学〜卒業までの費用
(准)看護学校の学費は学校によってバラバラです。また公立と私立で学費も大きく変わってきます。
平均はいくらというのはなんとも言えないですが私立で卒業までに200万〜400万円ほどはかかると思っていれば間違いないでしょう。
公立の場合だと私立に比べ、費用はぐっと下がり卒業までの3年間で諸経費すべて込みで100万円程度に収まります。
「じゃあ公立がいいのでは?」
とみなさんお思いでしょうが、公立は学校数も少ないうえに学費の安さからか人気が高く入試の倍率が10倍以上の学校もザラです。
こうなると看護学校への入試を失敗するリスクが高くなります。
私もご多聞にもれずこのリスクを恐れて私立を選択しました…。
では私の場合どれくらいの費用がかかったかというと
私立の看准護学校で2年通い、入学〜卒業までにかかった費用は230万円(制服代や教材費など全て含む)でした。
この230万円は他の学校と比べると比較的安いのかもしれませんが、個人で負担するには結構な額ですよね。結果からいうと、この230万円は全て職場に負担してもらいました。
看護学校の費用を職場に負担してもらう方法は実は割とポピュラーな方法なのです。詳しい事はもう少し下にかいてあります。ので興味がある方はぜひ参考にしてください。
▼看護の学校をどこに行こうか迷っている方はこちらで探すといいですよ。
とりたい資格で
↓
(准)看護師を選択
↓
エリア選択で
↓
自分のお住まいを選択
の2ステップで近隣の学校が探す事ができます。
1月・看護学校を受験する
いざ学校が決まったら願書をだして受験します。
願書の受けつけ期間は学校によって違いますが、入学試験は12月〜1月の学校がほとんどです。
「受験しようと思ったら願書受付終わってた…」
と、ならない為には11月までには行きたい学校を決めて願書の提出期限を確認しておく事をおすすめします。
看護学校の倍率
看護学校の試験倍率も2倍〜6倍と高くなっているので、滑り止めの学校もいくつか候補にいれておくといいかもしれませんね。
看護学校の入試の内容
試験内容も学校によってそれぞれ違います。
私が受験した時は高校受験レベルの数学・現代文・論文でした。学校によってはこの教科に加えて英語があったりもします。その一方で面接だけの学校もあったりします。
入試内容によって勉強内容も大きく変わってきますから、看護学校を目指す事が決まったら志望校の入試内容の確認を忘れずに。
最短2年間・学校で勉強する
准看護学校であれば最低2年、もしくは3年間学校へ
看護師であれば最低3年学校へ通いを勉強します。
「通信講座みたいので看護師の資格は取得できないの?」とたまに質問されますが、結論から言って通信講座等では取得する事はできません。
准看護の資格を取得していれば、准看護師として7年働いたのちに通信教育で看護師の資格を取得する事も出来ますが。あくまでも准看護師として働いた後の話になります。
介護士から准看護師・看護師をめざすのであれば基本は学校に通い勉強する事を覚えておきましょう。
また学校での勉強内容ですが、座学+校内演習+実習を勉強する事になります。
3年後の2月・資格試験
学校で適切なカリキュラムを終えた後にあるのが資格試験です。
資格試験は准看護師・看護師ともに2月に行われます。
看護師を目指していた人は、滑り止めとして他県で准看護師の試験も受ける人もいます。(同じ都道府県だと准看護師・看護師の試験は同日の場合がほとんどなので)
合格率は看護師で90%前後・准看護師で98%前後となっています。
きちんと学校で勉強し、試験対策をしていればなんとかなりそうな数値ですね。
万が一落ちてしまった場合も学校さえ卒業していれば、来年以降もチャレンジする事が出来ます。
3年後の4月・資格取得
合格発表は3月中旬〜下旬です。試験にパスすれば4月〜晴れて看護師として働く事ができます。
お疲れ様でした。
学費をタダにする方法→奨学金制度
入学〜卒業までの費用は100〜400万円とばらつきはありますが結構な額ですよね。
この金額をすべて無料にするのが職場からの奨学金制度です。
この制度は通称お礼奉公(おれいぼうこう)と呼ばれています。
お礼奉公とは病院からの奨学金制度の事をいいます。
働いている病院・施設が一定期間辞めずに働き続ける事を条件に看護学校の学費や学生期間の生活費を負担してもらえる制度です。
こうすることで学費がタダになるというわけですね。
実際に私はこの方法で看護学校のお金がタダになったのですが、その時の事を踏まえてどんなメリットがあったのか、デメリットはないのか?
などを紹介していきます。
メリットは費用を負担してもらえる
奨学金を受ける事のメリットはなんと言っても、場合によっては学費がタダになる事です。
看護学生の期間は准看護師でも最低2年間ですから、2年間の生活費と看護学校の費用となると、それだけで諦めてしまう人も多いと思いますが…
奨学金制度を受ける事で、学費+生活費まで職場で負担してくれるのはかなりのいい制度ですよね。
職場によっては、入学お祝い金といった形で現金をもらえる職場もあるようですね。
デメリットは一定期間働く条件がある
デメリットがあるとすれば、奨学金を受ける条件である”一定期間働く”という事でしょうか。
一定期間、辞めないで働く事が条件と言われると、なんだか職場に縛られているよう嫌な感じがするし卒業後も看護師として仕事が続くか不安ですよね。
しかし、言い換えてしまえば学費も負担してくれて卒業後も慣れている職場で働けるという事になりますので特に不安に思う事はないと思いますよ。
職場の奨学金制度がイマイチな場合
看護学校に行く上で奨学金制度はとても役に立つ制度ですね。
ですが、奨学金制度を使って学校に行こうと考えている人で注意したほうがいい人がいます。
それは…
- 奨学金制度がない人
- 職場の奨学金制度がイマイチな人
なんて方たちです。
奨学金制度がない職場では、当然自分で学費を払う事になりますし、奨学金制度がある職場だったとしても”どのくらい奨学金が出るのか”という事をきちんと理解しておかないと、後に後悔することも…
こうした人たちは奨学金をしっかり貰う為に”転職”も視野にいれていく必要があります。
しかし「じゃあ転職するか」と思っても…奨学金をきちんともらえる職場なんて自分ではなかなか探せないですよね。
こうした時に最近主流になっているのが転職エージェントです。
転職エージェントを使うと
- 奨学金の有無
- 看護学生になった時にどれくらいもらえるのか
- 卒業後どれくらい働くか
といった自分では聞きづらい事を無料でリサーチして転職をサポートしてくれるのでかなり役立ちます。
「奨学金がきちんともらえる職場を探したい」
という方は使って損はないはずですからぜひ転職エージェントを使ってみてはいかがでしょうか。
転職エージェントも様々ありますが、特に看護学生に評判がいいのは”かいご畑”です。
実際に私も転職の際に使ってみたのですが、親切でわかりやすかったのでオススメですよ。
まとめ
いかがでしたか?
介護士と(准)看護師の違いはわかっていただけました?
私は介護福祉士から看護師に転職しましたが、どちらの仕事がいいかと言われるとどちらの仕事も一長一短で悩ましいところです。
ただ看護師になった事でのメリットは
- 給料があがる
- 医療の知識・技術が身につく
- 責任感のある人間になった(気がする)
- 体力的に楽になった
などなど結構ありますから、やはり看護師になってよかったかもしれません。
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