介護職の現場は”いじめ”が多いと聞きます。
私も現場で働いている時に多くのいじめを見てきました。特に多かったのが…
- 新人に対してのいじめ
- 男性に対するいじめ
の2つでした。
いま思えば、私の働いていた施設では、新人に対してのいじめはいわゆる『通過儀礼』のようになっていたように感じます。
いじめている側は「最初の挨拶がわりみたいなもの」と思っているんですね。
しかし、いじめられた側は慣れない仕事のストレスに上乗せでいじめられる事で本当に辛い思いをします。
こうした辛い介護現場のいじめですが、どうすればうまく対処できるのでしょう。
新人にありがちないじめの内容と今日から使える”具体的”な解決策を紹介していきます。
介護のいじめ
いじめには精神的な苦痛を伴う事と肉体的な苦痛を伴う事の二種類がありますが、介護のいじめは主に精神的ないじめが多いです。
では介護職のいじめは具体的にはどういった事があるかいくつか紹介していきたいと思います。
無視
無視される事はつらいですよね。コミュニケーションを一方的に拒否されているようなものです。
介護の仕事は『報告・連絡・相談』は欠かせません。
医療的ケアーや家族への対応は、1人では判断しづらい事も多いです。
入職したばかりの新人さんへの指導の定石として、何かするにも自分で判断せずに、上司に報告して指示を仰ぐようにという指導内容があります。
しかし、上司への報告も無視をされてはできないですよね。
これで報告しづらい環境が出来上がってしまいます。
こうした環境ですと、新人さんは適切な判断ができないままトラブルや利用者への対応をし、問題になってしまう事が多くあります。
ですが結果的に責められるのは問題をおこした新人さんですので…
『どうして報告しなかったの!』
となるわけです。
「報告しようとしたんですけど…」といっても言い訳をしているようでとても悔しい思いをする事に。
ワンポイントアドバイス
ではどうすればいいかですが、どんなに無視されても報告は必ずしましょう。
報告する事で、「どうして報告しなかった」と責められる事はなくなります。
また報告するときも報告する人の名前を少し大きめに言うといいでしょう。大声ではなく(ちょっと声おおきめだなこの人くらい)で大丈夫です。
『〇〇さん!報告がありますお時間よろしいでしょうか?』
名前を最初に呼ばれると、無視しづらい心理をつくのがポイントです。
報告内容によっては、周囲に利用者さんがいない事も確かめる事も忘れずに。
経験的に無視は疲れるので長続きしません。ですから無視させておけばいいのでしょう。ですが「無視されたり、怒られるから報告しなくていいか」はしないように気をつけてみましょう。
陰口
「仕事が遅い」「できない」「周りが見えてない」
こういった仕事の内容で陰口を言われるのはまだ許せます。
新人ですから仕事ができなくて当然ですよ。
まだ新人だもん!と心の中で半ば開き直る事だってできます。許せないのは容姿の事や家庭環境だったり仕事に関係のない事の陰口です。
陰口は時に場を盛り上げるための材料として真実ではない事が言われたりします。
こういった事から、新人の印象が裏で操作されてしまい職場全体で「あの新人はだめだ」と認識されてしまいます。
ではどうすればいいか。
ワンポイントアドバイス
本人のいないところで、人を褒める人は信じる。
本人のいないところで、人の悪口を言う人は信じない。
本人のいないところで、人の言った悪口を信じる人はもっと信じない。— 小池一夫 (@koikekazuo) 2017年10月13日
この言葉は「子連れ狼」原作の漫画家・小池一夫さんのツイートです。
このツイートは「自分もそうでありたい」「仰る通り」と多くの反響をよんでいます。
新人さんはときに厳しく指導される事もあるでしょう。しかし面と向かって厳しく指導してくれる人の方が案外、最終的に良き指導者の事もあります。
もし陰口がつらいと感じたらこの言葉を思いだすといいかもしれません。
正当な評価されない
一般企業であれば業績などの数字をみて新人を評価する事ができますが、介護職の新人への評価は指導にあたる上司の独断的な意見で評価が決まってしまう事が多いです。
新人育成の為のチェックシートや個人目標などを使って、なるべく正当な評価ができるように取り組んでいる施設は多いのですが、最終的な評価基準は周囲の意見や指導者の判断に委ねられる傾向にあります。
正当に評価されないのは辛いですね。
「こんなに頑張っているのに」
「遅くまで残って記録をかいているのに…」
と辛い気持ちになってしまいますし、「自分は正当な評価がされていない」と思い始めてしまいます。
また評価が正当にされないと夜勤にいれてもらえないといった事態にもなりかねません。
介護職は夜勤手当がついてなんぼの世界ですから、上司の好き嫌いで給料も変わってきてしまう可能性もあるのです。
ではどうすればいいか。
ワンポイントアドバイス
新人さんの評価基準は周囲の意見や指導者の意見が重要視されます。
もし「頑張っている」のであれば頑張りに具体性を持たせるようにしてみるのはどうでしょう。
施設系であれば”離床介助””トイレ誘導”などの肉体労働を率先してみるといいかもしれません。
具体的に頑張りを見せるためのコツは…
離床時間や臥床時間が近くなったら「何時ごろから〇〇しますか?私がやらせてもらってもいいですか?」と言ってみるといいでしょう。
自分は『時間を見て動こうとしている』『率先している』を相手に伝える事がポイントです。
身体介助に不安がある場合『まだ離床が不安なので〇〇先輩の見させていただいて勉強させてください!』と上司の介助を見せてもらうように頼んでみるのもいいでしょう。
見た後も『なるほど〜』とか『すごいな』とかちょっと持ち上げるのもポイントです。
記録に関しても遅くまで残って記録をしている事で(いつまでも残ってダメなやつ)と思われているかもしれません。
実際には「就業時間中に記録が書く時間が与えられていないから…」とは思っても言い出しづらいですよね。
記録は書き慣れないと時間もかかります。
慣れてしまえば頭の中でテンプレ化した内容を当てはめて記録するだけなんで時間もそんなにかからなくなりますよ。
記録の書き方で悩んだらこちらも参照してみてください
辛い仕事ばかりおしつける
便失禁で衣類まで汚染してしまっている方を黙認して、新人さんに「〇〇さんの排泄入っておいて」とその方の排泄介助を指示してきたり、体重が重い方の移乗介助を一方的におしつけたり。
といった内容です。実際にこういった内容のいじめは結構あります。
最初はいいのですがあんまり続くと「いい加減にしてくれ!」という気持ちになってしまいますよね。
ではどうすればいいか。
ワンポイントアドバイス
あんまりつらい仕事を押し付けてくる場合には指示してきた人にも手伝ってもらいましょう。
どんな対応をとればいいのかというと…
便で衣類が汚染されている場合には「〇〇さん衣類まで汚染しちゃっています!私1人の介助だと〇〇さんも負担になってしまうので手伝ってもらっていいですか?」
手伝ってもらう理由に”利用者さんの体の負担を軽減してあげたい”というもっともらしい理由がある事で断りづらい雰囲気を作る事ができます。
もちろんこういった場面ばかりではないですが、辛い仕事ばかりおしつけてくる人にはなるべくその人も巻き込む事がポイントになります。
なんでも、ほいほいと受けてしまうと体も疲れるし「この新人にやらせておけばいい」と思われてしまう事に。こんな状態は避けたいですよね。
そうならない為には「今〇〇をしているので終わった後でもいいですか?優先してそっちをやった方がいいですか?」(自分にも仕事がありますよ)と軽く主張しておくのもいいでしょう。
暴力
私の友人のケースでは職場内で日常的に殴る・蹴るの暴力があったそうです。
そのうえで「もし上司にチクったら家を燃やす」と恫喝もされていたので逃げ場がなく不安だったと話していました。
ここまで露骨なケースは珍しいでしょうが、不快になるぐらいの力で小突かれるなども暴力に入ります。
信頼関係が築けていれば問題ない事もありますが、まだ入って間もない新人に対しての一方的に手を出す行為は暴力以外のなにものでもありません。
ワンポイントアドバイス
職場で暴力を振るうような人はやめていただきましょう。
私がその方の上司であれば、しっかりと事実確認をした上で自主的に辞めて頂きます。
もしくは、二度とそういった事がないように徹底的に指導させてもらいます。
アドバイスがあるとすれば、絶対に殴り返さないで!という事くらいでしょうか。
上司に相談して解決できるのが1番いいのですが相談できる対象がいない!なんて場合は転職も視野にいれるといいでしょう。
職員間であっても暴力はぜったいにダメです。
介護業界は暴力に対して非常に敏感な業界です。日常的に暴力的な職員がいるような職場はいつか利用者さんに暴力を振るう事があるかもしれません。
そんな職場は早々に見切りをつけて他の職場へ転職するのが1番です。
3つの対処法
いじめに対する対策は大きく分けて「相談・耐える・辞める」の3つです。
この3つだけみるとすごく極端な感じがしますが、実際にはとても実用的な方法です。
上司に相談
上司に相談する場合は
『〇〇さんにいじめられています。具体的には無視をされたり、陰口を言われています。すごく不快で仕事にならないです。もう辞めたいです。どうにかならないでしょうか』
特定の人にいじめられている場合は”名指し”で”何をされているか”まであとは今後も続くようなら”辞めたい”旨を伝えると効果的です。
介護業界は人手不足ですから、新人を確保するのにも随分とお金がかかっています。
会社的には”いじめ”があった為にせっかく確保した新人を失いたくないというのが本心であります。
いじめが原因の”辞めたい”に対してはきっと親身に相談に乗ってくれるし、対策もたててくれるはずです。
耐える
耐えられるレベルのいじめであれば、プライドを捨てて”耐える”のも職場のいじめに対しては効果的です。
「いじめはつらいけど、生活がかかっているしすぐには辞められない!」
という人も多いですよね。
いじめはずっと耐えるのはつらいですが期限つきならどうでしょう?
私の経験から語らせてもらうと新人いじめの場合は2・3ヶ月たった頃には徐々に終息してくる傾向にあります。
入職から3ヶ月ほどで新人さんも仕事を覚え徐々に戦力になる時期です。
「いじめるより表面的には仲よくして協力してくれた方が得だな」といじめている方も気づき始めます。
最初は大嫌いな上司も長く仕事を続けているとすごく仲良くなるケースも多いです。
”耐える”も対策の1つとして参考にしてみてはいかがでしょうか。
戦う
気の強い人はいじめと”戦う”のも1つ。
なにも武器を手に取るわけではありません。あくまでも仕事ですから文句をいうのも基本はNGです。
具体的にはどうするかですが「嫌うならお好きにどうぞ」という考え方で仕事をします。
仕事が終わったら無関係と徹底した考えを持つ事で気持ちに余裕ができます。
ただし新人がこのスタンスを取るのは最低限の仕事を覚えてからと肝に命じておきましょう。
会社をやめる・転職する
いじめに耐えられないという方は会社を辞めるのも1つの手です。
「もういじめで限界…」と感じている場合はそこまで無理してその会社にいる必要性・メリットがないからです。
同じ介護業界であれば、転職先も豊富ですし給料も大きく変わらないようなところはたくさんあるはずですよ。
限界を感じて精神を壊しては元も子もありませんから、諦めて転職する事をおすすめします。
ただ気をつけたいのは転職先の職場環境です。
「せっかく転職したのにまたいじめられた…」ではシャレにならないですよね。
こういった事にならない為に次の職場環境や給料はしっかり把握しておきたいところですよね。
こうした時に役に立つのが転職エージェントの存在です。
転職エージェントを使えば、条件にあった職場をリサーチしてくれたり、場合によっては給料の交渉もしてくれるので転職を視野に入れるなら利用してみるといいですよ。
まとめ
いかかがでしたか?
介護職は慣れてしまえば楽しい仕事ですが、悲しい事に新人に対するいじめが多いのは事実です。
たまに新人さんが私のところに来て「もう介護職辞めたいです…」ともらす事があります。
そういった時に「どうにか3年踏ん張ってみて介護福祉士の資格をとってみないか?」とアドバイスするようにしています。
介護業界は資格をもっていれば引く手数多です。
いじめに悩んでいる方へどうか少しでもこの記事が役に立てばと思っています。
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